露検とТРКИの 違い
2026年10月3日(更新:2026年10月13日)
日本で受けられるロシア語の試験は主に2つあります。露検(ロシア語能力検定試験)は、東京ロシア語学院のロシア語能力検定委員会が日本で行っている検定です。ТРКИは、ロシア連邦教育科学省が認定するロシアの国家試験です。級の並びも、科目も、受験料も違います。それぞれの説明は露検(ロシア語能力検定)とТРКИとはにあります。
運営と 歴史
| 露検 | ТРКИ | |
|---|---|---|
| 主催 | ロシア語能力検定委員会(東京ロシア語学院) | 日本では日本対外文化協会と東海大学。協会はサンクトペテルブルク国立大学のパートナー |
| 開始 | 1957年。1995年から今の4級〜1級 | ロシアの国家試験として各国で実施 |
| 回数 | 年2回(5月・10月)。2026年10月が第88回 | 2026年は2月・7月・9月。9月が第45回 |
| 会場 | 全国11都市 | 東京(東海大学のキャンパス) |
級の 並びと 合格の 仕方
露検は4級が入口で、1級が最上級です。ТРКИは入門レベルが入口で、第4レベルが最上級です。どちらも、受ける級を選んで申し込みます。
| 露検 | ТРКИ | |
|---|---|---|
| 級 | 4級 → 3級 → 2級 → 1級 | 入門 → 基礎 → 第1 → 第2 → 第3 → 第4レベル |
| 科目 | 文法、露文和訳、和文露訳。級によって朗読、聴取、口頭作文が加わる | どのレベルも語彙・文法、読解、聴解、作文、会話の5科目 |
| 合格 | すべての科目で6割以上 | 5科目のそれぞれで66%以上。4科目が66%以上なら、残りの1科目は60%以上で合格 |
| 持ち越し | 案内に決まりがない | 届かなかった科目が2科目までなら、合格した科目は2年間有効 |
| 辞書 | 使えない | 入門から第1レベルまでは、読解と作文、会話の一部で紙の露和・和露辞典が使える |
露検は、合計が6割を超えていても、6割に届かない科目が1つでもあると不合格です。ТРКИも科目ごとに基準がありますが、1科目だけは60%まで認められます。
各級が 測る もの
2つの試験の級を対応させた公式の表はありません。ТРКИの案内は各レベルにCEFRのA1からC2を添えていますが、露検の案内にCEFRは出てきません。ここでは、入口の2つの級を比べます。
- 目安
- 露検4級
- 旅行先で、相手がゆっくり話せば、食事の注文や買い物ができる
- 露検3級
- 自分のことや身近なことについて話ができる
- ТРКИ入門レベル
- ごく限られた場面で、最低限のやり取りができる
- ТРКИ基礎レベル
- よくある決まった場面で、必要なやり取りができる
- 単語
- 露検4級
- 約500
- 露検3級
- 約1,000
- ТРКИ入門レベル
- 780
- ТРКИ基礎レベル
- 1,300
- CEFR
- 露検4級
- 案内にない
- 露検3級
- 案内にない
- ТРКИ入門レベル
- A1
- ТРКИ基礎レベル
- A2
- 時間
- 露検4級
- 筆記90分と朗読
- 露検3級
- 筆記120分、聴取15分と朗読
- ТРКИ入門レベル
- 5科目で2時間45分
- ТРКИ基礎レベル
- 5科目で3時間25分
このサイトの入門・初級との関係はこのサイトのレベルの目安にあります。
問題の 言語と 出題範囲
露検には、ロシア語の文章を日本語に訳す露文和訳と、日本語をロシア語に訳す和文露訳があります。学院は、この2つの科目があるのは露検だけだと案内しています。ТРКИには訳す科目がありません。問題の指示もロシア語で書かれています。
話す力の測り方も違います。露検の4級と3級は、ロシア語の文章を読み上げて録音する朗読です。自分で文を作って話す口頭作文は、2級と1級にあります。ТРКИは、入門レベルから会話と作文の科目があります。
出題範囲は、露検では学院の到達度判定基準に、ТРКИではロシアの国家標準に、級ごとの文法と単語の数が書かれています。
日程と 受験料 (2026年)
| 露検 | ТРКИ | |
|---|---|---|
| 試験日 | 第88回は10月24日(土)と25日(日) | 第45回は9月13日(日)と27日(日)。次回は11月の予定 |
| 申し込み | 8月15日〜9月15日 | 7月14日〜8月21日。先着順で、定員に達すると締め切り |
| 受験料 | 4級5,000円、3級6,000円、2級と1級7,000円 | 入門24,000円、基礎25,000円、第1は26,000円、第2は27,000円、第3は28,000円、第4は29,000円 |
| 結果 | 12月15日(火)に発表 | 試験の約3か月後に郵送。遅れることがある |
受験料は、ТРКИが露検のおよそ4倍から5倍です。ТРКИは1日で5科目を受け、入門レベルでも合計2時間45分かかります。
規模
露検は、回ごとの申込者・受験者・合格者の数を公開しています。2025年の申込者は、5月と10月を合わせて1,202人でした。ТРКИの日本での受験者数は公表されていません。定員は、2026年2月の回が30名、7月の回が15名、9月の回が1日15名でした。
資格の 使い道
ТРКИは、ロシアの制度で使われる試験です。第1レベルに合格すると、ロシアの大学に入学できる語学力があると認められます。大学院は、専攻によって第2レベルか第3レベルが必要です。認定証は、入門レベルが5年間有効で、基礎レベルから上は無期限です。
露検は日本の検定で、学院は、合格を就職活動で語学力の証明に使えると案内しています。
最初に 受ける 試験の 選び方
目的で決まります。ロシアの大学への入学など、ロシアの制度で使うなら、通用するのはТРКИです。日本で学習の進み具合を確かめたい人には、受験料が5,000円からで、全国11都市で受けられる露検の4級と3級が受けやすい試験です。
力の見方でも選べます。露検は訳す力を見るので、日本語とロシア語の間に立つ仕事を考えている人に向いています。ТРКИは入門レベルから会話と作文があるので、話す力と書く力を確かめたい人に向いています。
参考に した 資料
- ロシア語能力検定委員会「歩み」(2026-10-03閲覧)。第1回の年、今の級になった年、露文和訳と和文露訳。
- ロシア語能力検定委員会「各級の説明」(2026-10-03閲覧)。科目、配点、合格の基準。
- ロシア語能力検定委員会「試験日程・会場」と「お申込手続き」(2026-10-03閲覧)。第88回の日程、会場、申込期間、受験料。
- ロシア語能力検定委員会「過去の結果」(2026-10-03閲覧)。第85回と第86回の申込者の数。
- 東京ロシア語学院「ロシア語能力検定 到達度判定基準」(2026-10-03閲覧)。4級と3級の目安と単語の数。
- 日本対外文化協会「ロシア語検定試験 はじめに」(2026-10-03閲覧)。主催、レベル、合格の基準、資格の使い道。
- 日本対外文化協会「ロシア語検定試験(ТРКИ)要項」(2026-10-03閲覧)。第45回の日程、定員、受験料、辞書、認定証の有効期間。
- 日本対外文化協会「試験時間と問題数」(2026-10-03閲覧)。レベルごとの試験時間。