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くだけた発音の縮約(разгово́рная речь)

2026年9月27日(更新:2026年10月1日)

щасやчёは、辞書に載らないくだけた発音です。сейча́с(今)とчто(何)が、親しい相手との会話だけで縮まります。母音の弱化の記事にある弱化はどの場面でも起きますが、この縮約はくだけた話し言葉だけに出る現象です。聞き取りの練習では、まず縮約形の音を知っておくと、聞こえた音から元の単語が分かりやすくなります。

くだけた発音の縮約とは

次の4つが、よく聞く縮約形です。

くだけた発音の縮約とは
くだけた形元の語日本語
щассейча́с今
чёчто何
ско́каско́лькоいくつ・いくら
када́когда́いつ

щасはсейча́сの子音の並びを削った形で、ско́каもско́лькоの音を削って作ります。友達どうしの会話には出ますが、教科書の例文やニュースのアナウンサーは、元の語のまま話します。辞書を引くときも、щасやчёのままでは載っていません。言語学ではこの現象をпросторе́чие(規範から外れたくだけた言い方)と呼びます。教科書には出てきませんが、日常の会話ではとてもよく耳にする言い方です。

使われる場面

この縮約は、くだけた会話だけの現象です。正式な手紙やメール、履歴書には書きません。文法のシリーズで見る語形は、いつも元の語(сейча́с、что、ско́лько、когда́)です。友達との会話で耳にしたら、辞書ではсейча́сやчтоなど、元の語を引きます。会話でщасと聞こえても、сейча́сのことだと考えて意味を取ります。書き取りの練習で縮約形のまま書くと、誤りとして扱われます。

日本語との違い

日本語にも、くだけた会話だけの縮まった言い方があります。「という」が「って」になり、「すみません」が「すいません」になるのが近い例です。ロシア語のщасやчёも同じ働きで、正式な場面では使いません。ロシア語のщасやчёも日本語と同様に、チャットやSNSなどのくだけた書き言葉ではそのまま書かれることがよくあります。友達からのメッセージにщасと書いてあっても、返事を書くときにまで縮約形をまねる必要はありません。相手との親しさに合わせて、使うかどうかを選べば足ります。

練習問題

正しいものを選んでください。

  1. щасが縮約した元の語は( сейча́с / ско́лько / когда́ )です。
  2. чёが縮約した元の語は( кто / что / где )です。
  3. щасやчёは、( 正式な手紙 / くだけた会話 )で使います。
答え
  1. сейча́с(щасはсейча́сの子音を削った形)
  2. что(чёはчтоの縮約)
  3. くだけた会話(正式な書き言葉には使わない)

参考にした資料

  1. アクセントの移動(подви́жное ударе́ние)単数から複数になると、アクセントが移動する語があると分かります。
  2. ёの点(бу́ква ё)すべてを表すвсёが、всеと点の有無で別の語になると分かります。
  3. 常に硬子音の字と常に軟子音の字(ж ш ц/ч щ)ж・ш・цは常に硬子音、ч・щは常に軟子音だと分かります。
  4. 発音しない子音字(непроизноси́мые согла́сные)つづりにあるл・д・вなどの文字を、実際には発音しないと分かります。