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存在と所有(есть・нет)

2026年9月21日(更新:2026年11月3日)

ロシア語では「〜がある・いる」と「〜がない・いない」を、есть と нет という決まった単語で表します。У меня́ есть сестра́.(私には姉がいます)のように、存在するものは主格のままですが、нет のあとの単語は生格になります。過去のことを言うときは、есть・нет の代わりに быть の過去形を使います。

使う場面

「持っている」「ある・いる」と言うときは、у + 生格 + есть を使います。「持っていない」「ない・いない」と言うときは、у + 生格 + нет を使い、ないものは生格になります。「в/на + 前置格」などで場所を表し、そこに何かがあるかどうかを言うこともできます。日本語には物には「ある」、人や動物には「いる」という使い分けがありますが、есть/нет にはこの区別がなく、人でも物でも同じ単語を使います。

  • У А́нны есть сестра́.(アンナには姉がいます)
  • Сего́дня нет уро́ка.(今日は授業がありません)

作り方

нет のあとの単語は生格にします。語尾の変え方は「生格」の記事の表と同じです。

作り方
元の形生格(нетのあと)日本語
брат(兄・男性)бра́та兄がいない
сестра́(姉・女性)сестры́姉がいない
уро́к(授業・男性)уро́ка授業がない
соба́ка(犬・女性)соба́ки犬がいない

есть のあとの単語は主格のままで、語尾を変える必要はありません。過去のことを言うときは、есть/нет の代わりに быть の過去形を使い、あったときは主語の性と数に合わせて был/была́/бы́ло/бы́ли を使います。なかったときは、性・数に関係なく、いつも「не́ было」を使います。

日本語・英語と比べると

у + 生格 + есть という組み立ては、日本語の「私には〜がある」に近い形です。ロシア語の文でも主語は есть のあとの単語(брат)です。「私」は у меня́ のように у+生格で言い、主語にはなりません。

есть は英語の there is や have に近い働きをします。ただし нет のあとの単語が主格でなく生格になる点は、英語にはない変化です。

対格との使い分け

есть/нет の文は、「〜を見る」のように動詞が目的語を取る文とは組み立てが違います。「持っている」を対格の文で言おうとする間違いが起きやすいので、次の表で3つの文の格を比べておくとよいです。

対格との使い分け
使う場面格例
「〜がある・いる」主格У меня́ есть брат.(私には兄がいます)
「〜がない・いない」生格У меня́ нет бра́та.(私には兄がいません)
動詞の目的語対格Я ви́жу бра́та.(兄が見えます)

例文

  1. У меня́ есть сестра́.(私には姉がいます)
  2. меня́ → 生格(у のあと)。「私のところに」を表す。
  3. сестра́ → 主格。存在するものが主語なので主格のまま。
  1. У бра́та нет маши́ны.(兄には車がありません)
  2. бра́та → 生格(у のあと)。「兄のところに」。
  3. маши́ны → 生格(нет のあと)。ないものは生格になる。
  1. Вчера́ не́ было уро́ка.(昨日、授業はありませんでした)
  2. не́ было → 過去の「ない」を表す決まった言い方。性・数に関係なく同じ言い方を使う。
  3. уро́ка → 生格(не́ было のあと)。現在の нет のあとと同じく、ないものは生格になる。
  1. У Анто́на была́ кни́га.(アントンには本がありました)
  2. была́ → 過去形。кни́га が女性・単数なので была́ を使う。
  3. кни́га → 主格。存在したものが主語。
  1. В го́роде есть теа́тр.(町に劇場があります)
  2. теа́тр → 主格。「ある」ものが主語。
  3. го́роде → 前置格(в のあと)。場所を表す。
  1. У них нет соба́ки.(彼らには犬がいません)
  2. них → 生格(у のあと)。они́ の生格 их は、前置詞のあとで н が付いて них になる。
  3. соба́ки → 生格(нет のあと)。ないものは生格になる。

練習問題

正しいものを選んでください。

  1. У меня́ есть( брат / бра́та / бра́ту ).
  2. У бра́та нет( маши́на / маши́ны / маши́ну ).
  3. Вчера́( нет / не́ было / есть )уро́ка.
答え
  1. брат(есть のあとは主格)
  2. маши́ны(нет のあとは生格)
  3. не́ было(過去の「ない」を表す決まった言い方)

練習問題(例文の穴埋め3問)

参考にした資料

  1. 生格(роди́тельный паде́ж)「〜の」「〜がない」や数のあとの名詞に使う生格の語尾と、使う場面が分かります。
  2. 与格(да́тельный паде́ж)物を渡す相手や、「私は20歳です」の「私は」を表す与格の語尾と、使う場面が分かります。
  3. 疑問詞(вопроси́тельные слова́)疑問詞のкуда́・отку́да・ско́лько・како́йなどで質問が作れるようになります。
  4. 直接話法と間接話法(пряма́я и ко́свенная речь)誰かの発言を、直接話法と間接話法の2つの形で伝えられるようになります。