対格(вини́тельный паде́ж)
入門 2026-09-21
対格は「〜を」を表す格で、動詞の直接目的語や、方向を表す в・на のあとで使います。名詞の性によって語尾の変え方が違い、単数形では、男性で人や動物を表す単語だけ生格と同じ語尾になる点に注意が必要です。期間のような時間の言い方には前置詞なしで、曜日には前置詞 в とともに対格が使われます。入門(ТРКИのA1)の範囲では、直接目的語・方向・時間の3つの使い方を押さえれば足ります。
どんなときに使うか
「〜を」で表す直接目的語と、「〜へ」という方向(в・на のあと)、曜日や期間などの時間表現に使います。名前を尋ねる決まった言い方「Меня́ зову́т…」(私の名前は〜です)にも対格が使われます。
- Я чита́ю кни́гу.(私は本を読みます)
- Меня́ зову́т Ле́на.(私の名前はレーナです)
- Мы идём в парк.(私たちは公園へ行きます)
作り方
単語の終わりを、性ごとに次のように変えます。
| 元の形 | 対格 | 日本語 |
|---|---|---|
| кни́га(本・女性) | кни́гу | 本を |
| сестра́(姉妹・女性) | сестру́ | 姉妹を |
| неде́ля(週・女性) | неде́лю | 週を |
| журна́л(雑誌・男性、物) | журна́л | 雑誌を(語尾は変わらない) |
| окно́(窓・中性) | окно́ | 窓を(語尾は変わらない) |
| брат(兄弟・男性、人) | бра́та | 兄弟を(生格と同じ語尾) |
-а, -я で終わる女性の単語は語尾をу(軟変化はю)に変えます。男性で物を表す単語と中性の単語は、主格のまま変えずに使います。男性で人や動物を表す単語だけは例外で、生格と同じ語尾になります。сестра́ → сестру́のように、単語によってはアクセントの位置も変わるので、単語ごとに確認する必要があります。
日本語・英語とくらべると
対格は「〜を」に近い働きで、動詞の直接目的語を表す場面では、日本語の「を」とほぼ同じ感覚で使えます。ただし方向を表す в・на のあとや、曜日・期間を表す時間表現にも対格を使う点は、日本語の「を」だけでは表せません。
前置格との使い分け
「どこへ」(куда́)は対格、「どこで」(где)は前置格で表します。同じ場所を表す単語でも、動詞が方向を表すか位置を表すかで格が変わります。идти́(歩いて行く)や е́хать(乗り物で行く)のように移動を表す動詞は куда́ の側、быть(いる)のように存在を表す動詞は где の側と覚えると見分けやすくなります。
| 疑問詞 | 使う格 | 例 |
|---|---|---|
| куда́(どこへ) | 対格 | Я иду́ в шко́лу.(私は学校へ行きます) |
| где(どこで) | 前置格 | Я в шко́ле.(私は学校にいます) |
例文
- Я чита́ю кни́гу.(私は本を読みます)
- чита́ю → 現在形。чита́ть(読む)の1人称単数の変化。
- кни́гу → 対格。直接目的語なのでуを付ける。
- Я живу́ здесь ме́сяц.(私はここに1か月住んでいます)
- здесь → 「ここで」を表す副詞(格変化なし)。
- ме́сяц → 対格(語尾は変わらない)。期間を表す単語は前置詞なしで対格になる。
- В сре́ду у нас уро́к.(水曜日に、私たちは授業があります)
- сре́ду → 対格。「〜曜日に」は в + 対格で表す。
- уро́к → 主語(男性・単数、主格のまま)。「私たちに授業がある」という決まった言い方の主役。
- У́тром я иду́ в шко́лу.(朝、私は学校へ行きます)
- иду́ → 現在形。идти́(歩いて行く)の1人称単数の変化。
- шко́лу → 対格。方向を表す в のあと。
- Ве́чером она́ идёт на рабо́ту.(夕方、彼女は仕事へ行きます)
- идёт → 現在形。идти́ の3人称単数の変化。
- рабо́ту → 対格。方向を表す на のあと。
- Я ви́жу бра́та.(私は兄弟を見ます)
- ви́жу → 現在形。ви́деть(見る)の1人称単数の変化。
- бра́та → 対格。人を表す男性の単語なので生格と同じ語尾になる。
- Я живу́ здесь неде́лю.(私はここに1週間住んでいます)
- неде́лю → 対格。期間を表す単語なので前置詞なしで対格になる。
練習問題
正しいものを選んでください。
- Я чита́ю( кни́га / кни́гу / кни́ги ).
- Ве́чером он идёт в( шко́ла / шко́лу / шко́ле ).
- Я ви́жу( брат / бра́та / бра́ту ).
答え
- кни́гу(動詞の直接目的語なので対格で、語尾はу)
- шко́лу(方向を表す в のあとなので対格)
- бра́та(人を表す男性の単語なので生格と同じ語尾になる)
参考にした資料
- Государственный стандарт по русскому языку как иностранному. Элементарный уровень(Министерство образования РФ、1999)§2.2.2「Винительный падеж」の使い方の一覧と例文(2026-09-20閲覧)
- 東京外国語大学 言語モジュール ロシア語 文法「硬変化型名詞の格変化」「活動体と不活動体」(2026-09-20閲覧)
- ロシア語能力検定 到達度判定基準4級「名詞、形容詞、代名詞の格変化」(2026-09-20閲覧)