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主格(имени́тельный паде́ж)

2026年9月21日(更新:2026年11月3日)

主格は、文の主語になる形で、人やものを指して示したり呼びかけたりするときにもそのまま使います。ロシア語の名詞は動詞や前置詞に応じて語尾が変わりますが、主格は辞書に載っている、一番元になる形です。名詞が文の中での役割に応じて語尾を変える仕組みを格といいます。日本語なら助詞(が・を・に・の)で表す役割を、ロシア語は語尾で表します。

使う場面

主格の使い方は、主語になる、人やものを指して示す、呼びかける、述語として人やものを説明する、出来事を言う、存在を言う、持っているものを言う、名前を言う、の8つです。

  • Брат — врач.(兄は医者です)
  • Меня́ зову́т Ле́на.(私はレーナといいます)

作り方

8つの使い方と例文は次のとおりです。

作り方
使い方例日本語
動作をする主語Ни́на смо́трит телеви́зор.ニーナはテレビを見ます
人やものを示すЭ́то Андре́й. Вот кни́га.これはアンドレイです。ほら、本です
呼びかけАндре́й, иди́ сюда́!アンドレイ、こっちに来て
述語(職業・特徴)Брат — врач.兄は医者です
出来事・事実За́втра экза́мены.明日は試験です
存在(〜がある)В го́роде есть шко́ла.町に学校があります
所有(〜がいる・ある)У меня́ есть кни́га.私には本があります
名前を言うМеня́ зову́т Ле́на.私はレーナといいます

主語になる名詞、人やものを示す名詞、呼びかける相手を表す名詞はそのまま主格です。「述語(職業・特徴)」では Брат — врач のように動詞を置かず、ダッシュで2つの名詞をつなげます。書くときはダッシュを入れ、話すときはその位置で短く区切ります。「存在」「所有」「名前を言う」は決まった言い方として、そのまま覚えるとよいです。存在と所有はどちらも есть(〜がある)という同じ動詞を使い、場所を示す言葉(В го́роде)を使うか、持ち主を示す言葉(У меня́)を使うかで意味が変わります。

日本語・英語と比べると

英語は存在を there is、所有を have で言い分けますが、ロシア語は日本語と同じく1つの言い方で両方を表します。「町に学校がある」「私には本がある」は、そのまま В го́роде есть шко́ла. と У меня́ есть кни́га. に当たります。

例文

  1. Ни́на смо́трит телеви́зор.(ニーナはテレビを見ます)
  2. Ни́на → 主格。動作をする主語。
  1. Брат — врач.(兄は医者です)
  2. брат → 主格。文の主語。
  3. врач → 主格。述語として брат を説明する単語。
  1. Андре́й, иди́ сюда́!(アンドレイ、こっちに来て)
  2. Андре́й → 主格。呼びかけの相手を示す単語。
  1. За́втра экза́мены.(明日は試験です)
  2. экза́мены → 主格・複数。出来事を表す単語。複数形の ы。
  1. У меня́ есть кни́га.(私には本があります)
  2. кни́га → 主格。存在する(持っている)ものを表す単語。меня́ は я(私)の生格。у меня́ で「私のところに」を表す決まった言い方で、「生格」の記事で扱う。
  1. Меня́ зову́т Ле́на.(私はレーナといいます)
  2. Ле́на → 主格。名前そのものを表す単語。меня́ は対格で、この文全体が決まった言い方。
  1. В го́роде есть шко́ла.(町に学校があります)
  2. шко́ла → 主格。存在するものを表す単語。В го́роде は場所を示す言葉で есть の前に置く。

練習問題

正しいものを選んでください。

  1. ( Оте́ц / Отца́ / Отцу́ ) — врач.
  2. ( Ле́на / Ле́ну / Ле́не ), иди́ сюда́!
  3. За́втра( экза́мены / экза́менов / экза́менам ).
答え
  1. Оте́ц(述語 врач の前に来る文の主語なので主格)
  2. Ле́на(呼びかけの相手を示す名前なので主格)
  3. экза́мены(出来事を表す文の主語なので主格・複数)

練習問題(例文の穴埋め1問)

参考にした資料

  1. 名詞の性と数(род и число́)名詞の性の見分け方と、性ごとの複数形の作り方が分かります。
  2. 文の種類(ви́ды предложе́ний)現在形では「です」に当たる動詞を省くロシア語の文の型と、疑問文・否定文の作り方が分かります。
  3. 活動体と不活動体(одушевлённость)子音・-й・-ь で終わる男性名詞の単数の対格が、主格と生格のどちらと同じになるかを、活動体かどうかで決められます。
  4. 軟変化の名詞(мя́гкий вариа́нт)музе́й・слова́рь・неде́ляなど軟変化の名詞の格変化を、性ごとに分けて覚えられます。