ペチカ

主格​(имени́тельный паде́ж

入門 2026-09-21

主格は、文の主語になる形で、名前を挙げたり呼びかけたりするときにもそのまま使います。ロシア語の名詞は動詞や前置詞に応じて語尾が変わりますが、主格は辞書に載っている、いちばんもとになる形です。入門(ТРКИのA1)の範囲では、主格の8つの使い方を押さえれば足ります。

どんな​ときに​使うか

主語になる、名前を挙げる、呼びかける、述語として人やものを説明する、出来事を言う、存在や所有を言う、名前を名乗る。この8つが主格の使い方です。ほかの格は動詞や前置詞に応じて選びますが、主格はいちばん広く使われる形なので、最初に覚える価値があります。名詞や代名詞を辞書で調べたときに載っているのも、この主格の形です。

  • Братврач.(兄は医者です)
  • Меня́ зову́т Ле́на.(私はレーナといいます)

作り方

主格は語尾を変える必要がない、いちばんもとになる形です。8つの使い方を、標準の例文で確認します。

使い方日本語
動作をする主語Ни́на смо́трит телеви́зор.ニーナはテレビを見ます
名前を挙げるЭ́то Андре́й. Вот кни́га.これはアンドレイです。ほら、本です
呼びかけАндре́й, иди́ сюда́!アンドレイ、こっちに来て
述語(職業・特徴)Братврач.兄は医者です
出来事・事実За́втра экза́мены.明日は試験です
存在(〜がある)В го́роде есть шко́ла.町に学校があります
所有(〜がいる・ある)У меня́ есть кни́га.私には本があります
名前を言うМеня́ зову́т Ле́на.私はレーナといいます

主語になる名詞、名前を挙げる名詞、呼びかける相手を表す名詞はそのまま主格です。「述語(職業・特徴)」では Братврач のように動詞を置かず、ダッシュで2つの名詞をつなげます。書き言葉ではダッシュを書きますが、話し言葉ではダッシュの位置に短い間を置くだけで通じます。「存在」「所有」「名前を言う」は決まった言い方として、そのまま覚えます。存在と所有はどちらも есть(〜がある)という同じ動詞を使い、場所を示す言葉(В го́роде)を使うか、持ち主を示す言葉(У меня́)を使うかで意味が変わります。

日本語・英語とくらべると

呼びかけは、日本語で相手の名前をそのまま声に出す感覚に近いといえます。Андре́й! のように、語尾を変えずに主格のままの名前を呼びかけに使う点が共通しています。

英語の there is と have のように、存在と所有を別の言い方で表す言語もありますが、ロシア語はどちらも есть という同じ動詞で表します。場所を示す言葉(В го́роде)を伴えば存在、持ち主を示す言葉(У меня́)を伴えば所有という違いだけです。

例文

各文の下に、主格の名詞がどの使い方かを書きます。

  1. Ни́на смо́трит телеви́зор.(ニーナはテレビを見ます)
  2. Ни́на → 主格。動作をする主語。
  1. Братврач.(兄は医者です)
  2. брат → 主格。文の主語。
  3. врач → 主格。述語として брат を説明する単語。
  1. Андре́й, иди́ сюда́!(アンドレイ、こっちに来て)
  2. Андре́й → 主格。呼びかけの相手を示す単語。
  1. За́втра экза́мены.(明日は試験です)
  2. экза́мены → 主格・複数。出来事を表す単語。複数形の ы
  1. У меня́ есть кни́га.(私には本があります)
  2. кни́га → 主格。存在する(持っている)ものを表す単語。меня́ は「私」の生格で、まだ習っていない決まった言い方。
  1. Меня́ зову́т Ле́на.(私はレーナといいます)
  2. Ле́на → 主格。名前そのものを表す単語。меня́ は対格で、この文全体が決まった言い方。
  1. В го́роде есть шко́ла.(町に学校があります)
  2. шко́ла → 主格。存在するものを表す単語。В го́роде は場所を示す言葉で есть のあとに置く。

練習問題

正しいものを選んでください。

  1. Оте́ц / Отца́ / Отцу́ ) — врач.
  2. Ле́на / Ле́ну / Ле́не ), иди́ сюда́!
  3. За́втраэкза́мены / экза́менов / экза́менам ).
答え
  1. Оте́ц(述語 врач の前に来る文の主語なので主格)
  2. Ле́на(呼びかけの相手を示す名前なので主格)
  3. экза́мены(出来事を表す文の主語なので主格・複数)

参考に​した​資料

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