ペチカ

軟変化の​名詞と​ で​終わる​女性名詞​(мя́гкий вариа́нт

入門 2026-09-21

ロシア語の名詞には、й・ь・я・еで終わる軟変化の単語があります。ьで終わる単語は男性にも女性にもあり、性によって格変化の型が違う点が学習者を迷わせます。入門(ТРКИのA1)の範囲では、музе́йслова́рьнеде́лятетра́дьмо́реの5つの単語を通して、単数の全格の変化を押さえれば足ります。

どんな​ときに​使うか

軟変化の名詞は、他の名詞と同じように主格以外の格でも使います。語尾の変え方だけが硬変化の名詞と違い、格そのものの働き(生格の「〜の」、与格の「〜に」など)は他の記事と同じです。

  • Вот музе́й.(ほら、博物館です)
  • У меня́ нет словаря́.(私には辞書がありません)

これらの単語は、名詞の性と数の記事で見た硬変化の単語(столкни́гаокно́)と同じ格のしくみを使いますが、語尾のつづりだけが違います。

作り方

5つの単語の単数・全格を、性ごとに確認します。色の付いた部分が語尾の変わった部分です。

元の形日本語
музе́й(博物館・男性)主格 музе́й博物館は
музе́й(博物館・男性)生格 музе́я博物館の
музе́й(博物館・男性)与格 музе́ю博物館に
музе́й(博物館・男性)対格 музе́й博物館を
музе́й(博物館・男性)造格 музе́ем博物館で
музе́й(博物館・男性)前置格 музе́е博物館について
元の形日本語
слова́рь(辞書・男性)主格 слова́рь辞書は
слова́рь(辞書・男性)生格 словаря́辞書の
слова́рь(辞書・男性)与格 словарю́辞書に
слова́рь(辞書・男性)対格 слова́рь辞書を
слова́рь(辞書・男性)造格 словарём辞書で
слова́рь(辞書・男性)前置格 словаре́辞書について
元の形日本語
неде́ля(週・女性)主格 неде́ля週は
неде́ля(週・女性)生格 неде́ли週の
неде́ля(週・女性)与格 неде́ле週に
неде́ля(週・女性)対格 неде́лю週を
неде́ля(週・女性)造格 неде́лей週で
неде́ля(週・女性)前置格 неде́ле週について
元の形日本語
тетра́дь(ノート・女性)主格 тетра́дьノートは
тетра́дь(ノート・女性)生格 тетра́диノートの
тетра́дь(ノート・女性)与格 тетра́диノートに
тетра́дь(ノート・女性)対格 тетра́дьノートを
тетра́дь(ノート・女性)造格 тетра́дьюノートで
тетра́дь(ノート・女性)前置格 тетра́диノートについて
元の形日本語
мо́ре(海・中性)主格 мо́ре海は
мо́ре(海・中性)生格 мо́ря海の
мо́ре(海・中性)与格 мо́рю海に
мо́ре(海・中性)対格 мо́ре海を
мо́ре(海・中性)造格 мо́рем海で
мо́ре(海・中性)前置格 мо́ре海について

男性でйьで終わる単語(музе́йслова́рь)と、女性でяьで終わる単語(неде́лятетра́дь)、中性でеで終わる単語(мо́ре)が軟変化に入ります。硬変化の単語と同じ格を作りますが、語尾の母音がа→я、ы→и、о→еのように軟らかい音に変わります。ьで終わる単語は男性にも女性にもあり、слова́рь(男性)とтетра́дь(女性)は同じьで終わっていても格変化の型が違うので、辞書で性を確かめてから変化のさせ方を選ぶ必要があります(名詞の性と数の記事を参照)。造格の語尾は、アクセントが語幹にあればем、語尾に来ればёмになります(музе́ем / словарём)。前置格前置詞なしでは使わないので、実際の文では о музе́е のように前置詞 о を付けます(前置格の記事を参照)。男性名詞(музе́йслова́рь)と中性名詞(мо́ре)、およびьで終わる女性名詞(тетра́дь)は、人や動物を表さない不活動体なので、対格は主格と同じ形になります(活動体と不活動体の記事を参照)。中性の мо́ре だけは、対格が主格のまま変わらないという点で他の中性の単語(окно́など)とも共通しています。女性のяで終わる単語(неде́лянеде́лю)の対格の作り方は、硬変化の単語(кни́гакни́гу)と同じ考え方で、語尾の母音だけが軟らかい音に変わります。

例文

各文の下に、単語ごとに「どの格か」と「なぜその格か」を書きます。

  1. Вот музе́й.(ほら、博物館です)
  2. музе́й → 主格。文の主役になる単語。
  1. У меня́ нет словаря́.(私には辞書がありません)
  2. словаря́ → 生格。нет のあとは生格になる。
  1. Мы идём к мо́рю.(私たちは海に向かって歩いています)
  2. мо́рю → 与格。方向を表す к のあと。
  1. Я ви́жу тетра́дь на столе́.(机の上にノートが見えます)
  2. тетра́дь → 対格(語尾は変わらない)。見る対象。
  3. столе́ → 前置格。場所を表す на のあと。
  1. Мы говори́м о неде́ле.(私たちは週について話しています)
  2. неде́ле → 前置格。話題を表す о のあと。
  1. Э́то слова́рь бра́та.(これは兄の辞書です)
  2. слова́рь → 主格。文の主役。
  3. бра́та → 生格。「兄の」。

練習問題

正しいものを選んでください。

  1. У меня́ нетслова́рь / словаря́ / словарю́ ).
  2. Мы идём кмо́ре / мо́рю / мо́рем ).
  3. Мы говори́м онеде́ля / неде́лю / неде́ле ).
答え
  1. словаря́нет のあとは生格)
  2. мо́рюк のあとは与格)
  3. неде́лео のあとは前置格)

参考に​した​資料

目次にもどる