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格のもう1つの使い方(употребле́ние падеже́й)

2026年9月21日(更新:2026年11月3日)

生格・与格・対格・造格・主格には、入門で見たもののほかに、よく使う使い方がもう1つずつあります。量の一部を表す生格、気持ちや状態を感じる人を表す与格、「毎週」のような頻度を表す対格、стать・рабо́тать のあとの造格、名前を言う主格です。

使う場面

「〜を少し」という部分には生格を、「〜が好きだ」「楽しかった」のような気持ちや状態を感じる人には与格を、「毎週」「毎年」という繰り返す頻度には対格を、стать(〜になる)・рабо́тать(〜として働く)のあとの職業には造格を使います。店や町の名前を「〜という名前です」と言うときは、名前を主格のまま置きます。

  • Вы́пейте ча́шку ча́я.(お茶を1杯飲んでください)
  • Андре́ю нра́вится футбо́л.(アンドレイはサッカーが好きです)

作り方

部分を表す生格は、ча́шка(カップ)や стака́н(コップ)のような入れ物や、量を表す単語のあとに置きます。動詞のすぐあとに置くと「いくらか」の意味になり、Купи́ хле́ба.(パンを少し買ってきて)のように言います。

作り方(元の形・生格(部分)・日本語)
元の形生格(部分)日本語
чай(お茶・男性)ча́яお茶を(少し)
молоко́(牛乳・中性)молока́牛乳を(少し)
хлеб(パン・男性)хле́баパンを(少し)

頻度は、ка́ждый(毎〜)と名詞をどちらも対格にして言います。

作り方(元の形・対格(頻度)・日本語)
元の形対格(頻度)日本語
ка́ждая неде́ля(毎週・女性)ка́ждую неде́лю毎週
ка́ждый ме́сяц(毎月・男性、無生物)ка́ждый ме́сяц毎月(語尾は変わらない)

стать・рабо́татьのあとの職業は造格になります。

作り方(元の形・造格・日本語)
元の形造格日本語
врач(医者・男性)врачо́м医者に(なる)/医者として(働く)
учи́тельница(女性の先生・女性)учи́тельницей先生に(なる)/先生として(働く)

気持ちや状態を感じる人は与格になり、人称代名詞だけでなく名詞も使えます。

作り方(元の形・与格・日本語)
元の形与格日本語
Андре́й(アンドレイ・男性)Андре́юアンドレイは(好きだと感じる)
ма́ма(母・女性)ма́ме母は(〜だと感じる)

Магази́н называ́ется «Гло́бус». のように物や場所の名前を言うときは、主語の магази́н も名前も主格です。人の名前を言う Меня́ зову́т Ле́на.(私はレーナといいます)でも名前は主格ですが、「私」は対格の меня́ になります。この言い方は対格(вини́тельный паде́ж)の記事で扱っています。

быть・стать・рабо́тать の使い分け

быть・стать・рабо́татьはどれも造格と組みますが、意味が異なります。

быть・стать・рабо́тать の使い分け
動詞意味例
быть(過去・未来)〜だった、(将来)〜である(その時の状態)Он был врачо́м.(彼は医者でした)
стать〜になる(変化)Он стал врачо́м.(彼は医者になりました)
рабо́тать〜として働いている(今の仕事)Он рабо́тает врачо́м.(彼は医者として働いています)

быть+造格は、過去や未来の文でよく使います。今のことを言う文では быть を使わず、Я студе́нт.(私は学生です)のように職業や身分も主格で言います。

例文

  1. Вы́пейте, пожа́луйста, ча́шку ча́я.(お茶を1杯飲んでください)
  2. ча́я → 生格。カップに入っている「お茶」の一部を表す。
  1. Мы встреча́емся ка́ждую неде́лю.(私たちは毎週会います)
  2. ка́ждую неде́лю → 対格(頻度)。繰り返す出来事を表す。
  1. Он стал врачо́м в про́шлом году́.(彼は去年医者になりました)
  2. стал → стать の過去形(男性)。
  3. врачо́м → 造格。стать のあとの職業。
  1. Андре́ю нра́вится футбо́л.(アンドレイはサッカーが好きです)
  2. Андре́ю → 与格。好きだと感じる人(名詞でも使える)。
  3. футбо́л → 主格。好かれているもの(サッカー)が文の主語になる。
  1. Магази́н называ́ется «Гло́бус».(その店は「グローブス」という名前です)
  2. называ́ется → -ся動詞の現在形。「〜という名前である」。
  3. «Гло́бус» → 主格。店の名前はそのまま置く。
  1. Она́ рабо́тает учи́тельницей в шко́ле.(彼女は学校で先生として働いています)
  2. учи́тельницей → 造格。рабо́тает のあとの職業。
  1. Мне бы́ло о́чень ве́село на пра́зднике.(お祭りで、私はとても楽しかったです)
  2. мне → 与格。楽しさを感じる人。人称代名詞でも名詞でも使える組み立て。
  3. ве́село → 状態を表す述語。

練習問題

正しいものを選んでください。

  1. Да́йте, пожа́луйста, стака́н( молоко́ / молока́ / молоку́ ).
  2. Мы ви́димся ка́ждый( год / го́да / году́ ).
  3. Она́ ста́ла( врач / врача́ / врачо́м ).
答え
  1. молока́(生格・部分を表す)
  2. год(無生物・男性なので語尾は主格と同じ形)
  3. врачо́м(стать のあとは造格)

練習問題(例文の穴埋め5問)

参考にした資料

  1. そのほかの前置詞(над・под・без)前置詞一覧で扱わなかった10個の前置詞と、それぞれのあとに来る格が分かります。
  2. 単語の作り方(словообразова́ние)接尾辞を見て、国籍や職業を表す名詞、女性を表す名詞、名詞から作った形容詞の意味を推測できるようになります。
  3. 名詞の複数の格変化(склоне́ние во мно́жественном числе́)複数の名詞の6つの格の語尾と、単語ごとに違う生格複数の形が分かります。
  4. 順序数詞の格変化と日付(склоне́ние поря́дковых числи́тельных)順序数詞の格変化と、年・日付・期間を言うときの前置詞と格の組み合わせが分かります。