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代名詞の格変化(склоне́ние местоиме́ний)

2026年9月21日(更新:2026年11月3日)

人称代名詞と所有代名詞も、名詞と同じように格によって形が変わります。人称代名詞は多くが不規則な形で、3人称の он・оно́・она́・они́ は前置詞のあとで н の付いた形になります。所有代名詞のмой・твой・наш・вашは、修飾する名詞の性・数・格に合わせて変わりますが、его́・её・их の3つだけは形が変わりません。

使う場面

代名詞を主語以外の働きで使うとき、つまり「〜を」「〜に」「〜の」「〜と」「〜について」と言うときにこの格変化を使います。

  • Я ви́жу его́.(彼が見えます)
  • Мы говори́м о нём.(私たちは彼について話しています)

作り方

まず、人称代名詞の全格を確認します。語全体が変わるので、この表では語尾に色を付けていません。

作り方(元の形・格・日本語)
元の形格日本語
я(私)主格 я私は
я(私)生格 меня́私が(いない)
я(私)与格 мне私に
я(私)対格 меня́私を
я(私)造格 мной私と
я(私)前置格 мне私について
作り方(元の形・格・日本語)(2)
元の形格日本語
ты(あなた・親しい相手)主格 тыあなたは
ты(あなた・親しい相手)生格 тебя́あなたが(いない)
ты(あなた・親しい相手)与格 тебе́あなたに
ты(あなた・親しい相手)対格 тебя́あなたを
ты(あなた・親しい相手)造格 тобо́йあなたと
ты(あなた・親しい相手)前置格 тебе́あなたについて
作り方(元の形・格・日本語)(3)
元の形格日本語
он/оно́(彼/それ)主格 он/оно́彼は/それは
он/оно́(彼/それ)生格 его́彼が/それが(いない)
он/оно́(彼/それ)与格 ему́彼に/それに
он/оно́(彼/それ)対格 его́彼を/それを
он/оно́(彼/それ)造格 им(前置詞のあとは ним)彼と(с ним)/それと(с ним)
он/оно́(彼/それ)前置格 нём彼について/それについて
作り方(元の形・格・日本語)(4)
元の形格日本語
она́(彼女)主格 она́彼女は
она́(彼女)生格 её彼女が(いない)
она́(彼女)与格 ей彼女に
она́(彼女)対格 её彼女を
она́(彼女)造格 ей(前置詞のあとは ней)彼女と(с ней)
она́(彼女)前置格 ней彼女について
作り方(元の形・格・日本語)(5)
元の形格日本語
мы(私たち)主格 мы私たちは
мы(私たち)生格 нас私たちが(いない)
мы(私たち)与格 нам私たちに
мы(私たち)対格 нас私たちを
мы(私たち)造格 на́ми私たちと
мы(私たち)前置格 нас私たちについて
作り方(元の形・格・日本語)(6)
元の形格日本語
вы(あなた〔丁寧〕・あなたたち)主格 выあなた(たち)は
вы(あなた〔丁寧〕・あなたたち)生格 васあなた(たち)が(いない)
вы(あなた〔丁寧〕・あなたたち)与格 вамあなた(たち)に
вы(あなた〔丁寧〕・あなたたち)対格 васあなた(たち)を
вы(あなた〔丁寧〕・あなたたち)造格 ва́миあなた(たち)と
вы(あなた〔丁寧〕・あなたたち)前置格 васあなた(たち)について
作り方(元の形・格・日本語)(7)
元の形格日本語
они́(彼ら)主格 они́彼らは
они́(彼ら)生格 их彼らが(いない)
они́(彼ら)与格 им彼らに
они́(彼ら)対格 их彼らを
они́(彼ら)造格 и́ми(前置詞のあとは ни́ми)彼らと(с ни́ми)
они́(彼ら)前置格 них彼らについて

なお、вы を1人の相手に丁寧に使うときも、動詞と短語尾形容詞は複数形になります(Вы вчера́ бы́ли свобо́дны?「昨日はお時間がありましたか」の бы́ли と свобо́дны)。

前置詞のあとに置いた3人称の人称代名詞(его́・её・им・их など、主格以外の形)は、語頭に н が付いた形になります。代表的な例を挙げます。

作り方(元の形・前置詞のあと・例)
元の形前置詞のあと例
его́(生格・対格)него́у него́(彼のところに)、смотре́ть на него́(彼のほうを見る)
её(生格・対格)неёу неё(彼女のところに)、смотре́ть на неё(彼女のほうを見る)
им(造格)нимс ним(彼と)
их(生格・対格)ниху них(彼らのところに)、смотре́ть на них(彼らのほうを見る)

前置詞がなければ Я его́ ви́жу.(彼が見えます)のように его́ のままですが、前置詞 на が付くと Я смотрю́ на него́.(私は彼のほうを見ます)のように него́ になります。同じように、Я говорю́ ей.(私は彼女に話します)の ей も、前置詞 к が付くと Я иду́ к ней.(私は彼女のところへ行きます)のように ней になります。

所有代名詞の его́・её・их は、前置詞のあとでも н が付かず、そのままの形です。Я живу́ в её до́ме.(私は彼女の家に住んでいます)のように、人称代名詞の неё とは区別します。

所有代名詞мойとнашの全格を確認します。твойはмойと同じ語尾で語幹だけ тво- に変わり(твоего́、твое́й、твои́мなど)、вашはнашと同じ語尾で語幹だけ ва- に変わります(ва́шего、ва́шей、ва́шимなど)。

作り方(元の形・格・日本語)(8)
元の形格日本語
мой(私の・男性)主格 мой私の〜は
мой(私の・男性)生格 моего́私の〜の
мой(私の・男性)与格 моему́私の〜に
мой(私の・男性)対格 мой(不活動体)/моего́(活動体)私の〜を
мой(私の・男性)造格 мои́м私の〜と
мой(私の・男性)前置格 моём私の〜について
作り方(元の形・格・日本語)(9)
元の形格日本語
мой(私の・女性)主格 моя́私の〜は
мой(私の・女性)生格 мое́й私の〜の
мой(私の・女性)与格 мое́й私の〜に
мой(私の・女性)対格 мою́私の〜を
мой(私の・女性)造格 мое́й私の〜と
мой(私の・女性)前置格 мое́й私の〜について
作り方(元の形・格・日本語)(10)
元の形格日本語
мой(私の・中性)主格 моё私の〜は
мой(私の・中性)生格 моего́私の〜の
мой(私の・中性)与格 моему́私の〜に
мой(私の・中性)対格 моё私の〜を
мой(私の・中性)造格 мои́м私の〜と
мой(私の・中性)前置格 моём私の〜について
作り方(元の形・格・日本語)(11)
元の形格日本語
мой(私の・複数)主格 мои́私の〜は
мой(私の・複数)生格 мои́х私の〜の
мой(私の・複数)与格 мои́м私の〜に
мой(私の・複数)対格 мои́(不活動体)/мои́х(活動体)私の〜を
мой(私の・複数)造格 мои́ми私の〜と
мой(私の・複数)前置格 мои́х私の〜について
作り方(元の形・格・日本語)(12)
元の形格日本語
наш(私たちの・男性)主格 наш私たちの〜は
наш(私たちの・男性)生格 на́шего私たちの〜の
наш(私たちの・男性)与格 на́шему私たちの〜に
наш(私たちの・男性)対格 наш(不活動体)/на́шего(活動体)私たちの〜を
наш(私たちの・男性)造格 на́шим私たちの〜と
наш(私たちの・男性)前置格 на́шем私たちの〜について
作り方(元の形・格・日本語)(13)
元の形格日本語
наш(私たちの・女性)主格 на́ша私たちの〜は
наш(私たちの・女性)生格 на́шей私たちの〜の
наш(私たちの・女性)与格 на́шей私たちの〜に
наш(私たちの・女性)対格 на́шу私たちの〜を
наш(私たちの・女性)造格 на́шей私たちの〜と
наш(私たちの・女性)前置格 на́шей私たちの〜について
作り方(元の形・格・日本語)(14)
元の形格日本語
наш(私たちの・中性)主格 на́ше私たちの〜は
наш(私たちの・中性)生格 на́шего私たちの〜の
наш(私たちの・中性)与格 на́шему私たちの〜に
наш(私たちの・中性)対格 на́ше私たちの〜を
наш(私たちの・中性)造格 на́шим私たちの〜と
наш(私たちの・中性)前置格 на́шем私たちの〜について
作り方(元の形・格・日本語)(15)
元の形格日本語
наш(私たちの・複数)主格 на́ши私たちの〜は
наш(私たちの・複数)生格 на́ших私たちの〜の
наш(私たちの・複数)与格 на́шим私たちの〜に
наш(私たちの・複数)対格 на́ши(不活動体)/на́ших(活動体)私たちの〜を
наш(私たちの・複数)造格 на́шими私たちの〜と
наш(私たちの・複数)前置格 на́ших私たちの〜について

свой もмойと同じ語尾変化をします(своего́、свое́й、свои́мなど)が、意味が違います。свой は「主語自身の」という意味の代名詞で、特に3人称の文で重要です。свой の形は主語の人称では変わらず、修飾する名詞の性・数・格だけで決まります。Я ви́жу свою́ кни́гу.(自分の本が見えます)と Она́ ви́дит свою́ кни́гу.(彼女には自分の本が見えます)のように、主語が変わってもсвою́の形は変わりません。

例文

  1. Я ви́жу его́.(彼が見えます)
  2. его́ → 対格。он の対格は生格と同じ形になる。
  3. Мы говори́м о нём.(私たちは彼について話しています)
  4. нём → 前置格。前置詞のあとの он には н が付く。
  5. Она́ помога́ет мое́й сестре́.(彼女は私の姉を手伝います)
  6. мое́й → 与格・女性。сестре́ に合わせた形。
  7. Он лю́бит свою́ рабо́ту.(彼は自分の仕事が好きです)
  8. свою́ → 対格・女性。「主語自身の」を表す свой。Он лю́бит его́ рабо́ту. と言うと、主語とは別の男性の仕事を指す。
  9. Э́то маши́на на́шего дру́га.(これは私たちの友だちの車です)
  10. на́шего → 生格・男性。дру́га に合わせた形。
  11. У неё нет кни́ги.(彼女には本がありません)
  12. неё → 生格。она́ の生格は前置詞 у のあとで н が付く。

練習問題

正しいものを選んでください。

  1. Я ви́жу( он / его́ / ему́ ).
  2. Мы говори́м о( он / нём / его́ ).
  3. Он лю́бит( свой / своя́ / свою́ )маши́ну.
答え
  1. его́(対格。он の対格は生格と同じ形)
  2. нём(前置詞のあとの он には н が付く)
  3. свою́(маши́наは女性名詞なので女性・対格の形)

練習問題(例文の穴埋め7問)

参考にした資料

  1. 形容詞の格変化(склоне́ние прилага́тельных)主格以外の格でも、形容詞の語尾を名詞に合わせられるようになります。
  2. 指示・限定・否定の代名詞(э́тот・весь・никто́)э́тот・тотの使い分けと、весь・сам・никто́の形が分かります。
  3. 色の言い方(си́ний・голубо́й)日本語の「青」にあたるси́нийとголубо́йの違いと、色の形容詞の語尾の合わせ方が分かります。
  4. 比較級(сравни́тельная сте́пень)бо́льше・лу́чшеのような比較級の形と、чемと生格の2つの比べ方が分かります。