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形容詞の格変化(склоне́ние прилага́тельных)

2026年9月21日(更新:2026年11月3日)

生格や与格など、ほかの格に置いた名詞を修飾するときは、形容詞もその格の語尾にします。形容詞には硬変化と軟変化があり、語幹が г・к・х で終わるもの(ти́хий など)と ж・ш・щ・ч で終わるもの(хоро́ший など)は、語尾のつづりが一部変わります。

使う場面

形容詞の一致の記事で見た主格の一致が、ほかの格にもそのまま広がると考えると分かりやすくなります。

  • У меня́ нет но́вой кни́ги.(私には新しい本がありません)
  • Мы говори́м о хоро́шем фи́льме.(私たちはよい映画について話しています)

作り方

硬変化(но́вый)・軟変化(си́ний)・正書法の規則が働く形容詞(хоро́ший)の3つを、性・数ごとに確認します。

作り方(元の形・格・日本語)
元の形格日本語
но́вый(新しい・硬変化・男性)主格 но́вый新しい〜は
но́вый(新しい・硬変化・男性)生格 но́вого新しい〜の
но́вый(新しい・硬変化・男性)与格 но́вому新しい〜に
но́вый(新しい・硬変化・男性)対格 но́вый(不活動体)/но́вого(活動体)新しい〜を
но́вый(新しい・硬変化・男性)造格 но́вым新しい〜で
но́вый(新しい・硬変化・男性)前置格 но́вом新しい〜について
作り方(元の形・格・日本語)(2)
元の形格日本語
но́вый(新しい・硬変化・女性)主格 но́вая新しい〜は
но́вый(新しい・硬変化・女性)生格 но́вой新しい〜の
но́вый(新しい・硬変化・女性)与格 но́вой新しい〜に
но́вый(新しい・硬変化・女性)対格 но́вую新しい〜を
но́вый(新しい・硬変化・女性)造格 но́вой新しい〜で
но́вый(新しい・硬変化・女性)前置格 но́вой新しい〜について
作り方(元の形・格・日本語)(3)
元の形格日本語
но́вый(新しい・硬変化・中性)主格 но́вое新しい〜は
но́вый(新しい・硬変化・中性)生格 но́вого新しい〜の
но́вый(新しい・硬変化・中性)与格 но́вому新しい〜に
но́вый(新しい・硬変化・中性)対格 но́вое新しい〜を
но́вый(新しい・硬変化・中性)造格 но́вым新しい〜で
но́вый(新しい・硬変化・中性)前置格 но́вом新しい〜について
作り方(元の形・格・日本語)(4)
元の形格日本語
но́вый(新しい・硬変化・複数)主格 но́вые新しい〜は
но́вый(新しい・硬変化・複数)生格 но́вых新しい〜の
но́вый(新しい・硬変化・複数)与格 но́вым新しい〜に
но́вый(新しい・硬変化・複数)対格 но́вые(不活動体)/но́вых(活動体)新しい〜を
но́вый(新しい・硬変化・複数)造格 но́выми新しい〜で
но́вый(新しい・硬変化・複数)前置格 но́вых新しい〜について
作り方(元の形・格・日本語)(5)
元の形格日本語
си́ний(青い・軟変化・男性)主格 си́ний青い〜は
си́ний(青い・軟変化・男性)生格 си́него青い〜の
си́ний(青い・軟変化・男性)与格 си́нему青い〜に
си́ний(青い・軟変化・男性)対格 си́ний(不活動体)/си́него(活動体)青い〜を
си́ний(青い・軟変化・男性)造格 си́ним青い〜で
си́ний(青い・軟変化・男性)前置格 си́нем青い〜について
作り方(元の形・格・日本語)(6)
元の形格日本語
си́ний(青い・軟変化・女性)主格 си́няя青い〜は
си́ний(青い・軟変化・女性)生格 си́ней青い〜の
си́ний(青い・軟変化・女性)与格 си́ней青い〜に
си́ний(青い・軟変化・女性)対格 си́нюю青い〜を
си́ний(青い・軟変化・女性)造格 си́ней青い〜で
си́ний(青い・軟変化・女性)前置格 си́ней青い〜について
作り方(元の形・格・日本語)(7)
元の形格日本語
си́ний(青い・軟変化・中性)主格 си́нее青い〜は
си́ний(青い・軟変化・中性)生格 си́него青い〜の
си́ний(青い・軟変化・中性)与格 си́нему青い〜に
си́ний(青い・軟変化・中性)対格 си́нее青い〜を
си́ний(青い・軟変化・中性)造格 си́ним青い〜で
си́ний(青い・軟変化・中性)前置格 си́нем青い〜について
作り方(元の形・格・日本語)(8)
元の形格日本語
си́ний(青い・軟変化・複数)主格 си́ние青い〜は
си́ний(青い・軟変化・複数)生格 си́них青い〜の
си́ний(青い・軟変化・複数)与格 си́ним青い〜に
си́ний(青い・軟変化・複数)対格 си́ние(不活動体)/си́них(活動体)青い〜を
си́ний(青い・軟変化・複数)造格 си́ними青い〜で
си́ний(青い・軟変化・複数)前置格 си́них青い〜について
作り方(元の形・格・日本語)(9)
元の形格日本語
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・男性)主格 хоро́шийよい〜は
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・男性)生格 хоро́шегоよい〜の
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・男性)与格 хоро́шемуよい〜に
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・男性)対格 хоро́ший(不活動体)/хоро́шего(活動体)よい〜を
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・男性)造格 хоро́шимよい〜で
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・男性)前置格 хоро́шемよい〜について
作り方(元の形・格・日本語)(10)
元の形格日本語
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・女性)主格 хоро́шаяよい〜は
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・女性)生格 хоро́шейよい〜の
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・女性)与格 хоро́шейよい〜に
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・女性)対格 хоро́шуюよい〜を
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・女性)造格 хоро́шейよい〜で
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・女性)前置格 хоро́шейよい〜について
作り方(元の形・格・日本語)(11)
元の形格日本語
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・中性)主格 хоро́шееよい〜は
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・中性)生格 хоро́шегоよい〜の
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・中性)与格 хоро́шемуよい〜に
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・中性)対格 хоро́шееよい〜を
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・中性)造格 хоро́шимよい〜で
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・中性)前置格 хоро́шемよい〜について
作り方(元の形・格・日本語)(12)
元の形格日本語
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・複数)主格 хоро́шиеよい〜は
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・複数)生格 хоро́шихよい〜の
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・複数)与格 хоро́шимよい〜に
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・複数)対格 хоро́шие(不活動体)/хоро́ших(活動体)よい〜を
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・複数)造格 хоро́шимиよい〜で
хоро́ший(よい・語幹が ш で終わる・複数)前置格 хоро́шихよい〜について

硬変化はно́вый(男性)・но́вая(女性)・но́вое(中性)・но́вые(複数)を基本の形にして、生格・与格・造格・前置格ではно́вого・но́вому・но́вым・но́вом(男性・中性)、но́вой(女性)などに変わります。軟変化はси́ний・си́няя・си́нее・си́ниеを基本の形にして、常にアクセントのない語尾のまま変化します。

語幹が ж・ш・щ・ч で終わるхоро́шийのような形容詞は、正書法の規則で ы の代わりに и を書きます(造格хоро́шим)。また、これらの文字のあとではアクセントのない語尾の о を е と書くので、生格はхоро́шегоになります。一方、г・к・х で終わる単語(ти́хий など)では ы を и にする規則だけが働きます(造格 ти́хим、生格は о のまま ти́хого)。ы を и にする規則は語尾にアクセントのあるбольшо́йにも働き、造格はбольши́мになります。

対格は、活動体の男性・複数では生格と同じ形になり、不活動体の男性・複数および中性では主格と同じ形になります。女性は活動体・不活動体に関わらず、硬変化はно́вую、軟変化はси́нююになります(活動体と不活動体の記事を参照)。

格が変わっても、形容詞は修飾する名詞の前に置きます。この語順は日本語と同じです。

形容詞の短語尾との使い分け

ここまでの語尾は「長語尾」で、名詞を修飾するときはこちらしか使えません。述語として使うときも、多くの形容詞は長語尾で足ります(Кни́га интере́сная.)。ただし рад・гото́в・за́нят・до́лжен・бо́лен は、述語では短語尾(格では変わらず、性と数だけで変わる形)で使います。

例文

  1. У меня́ нет но́вой кни́ги.(私には新しい本がありません)
  2. но́вой → 生格・女性。кни́ги に合わせた形。нет のあとは生格。
  3. Мы говори́м о хоро́шем фи́льме.(私たちはよい映画について話しています)
  4. хоро́шем → 前置格・男性。話題を表す о のあと。
  5. Я пишу́ письмо́ но́вому дру́гу.(私は新しい友だちに手紙を書きます)
  6. но́вому → 与格・男性。дру́гу に合わせた形。
  7. Он интересу́ется си́ней маши́ной.(彼は青い車に興味があります)
  8. си́ней → 造格・女性。маши́ной に合わせた形。
  9. Э́то кни́ги хоро́ших студе́нтов.(これはよい学生たちの本です)
  10. хоро́ших → 生格・複数。студе́нтов に合わせた形。
  11. Мы ви́дели хоро́шего студе́нта.(私たちはよい学生を見ました)
  12. хоро́шего → 対格・男性・活動体。студе́нт が活動体なので、対格は生格と同じ形になる。

練習問題

正しいものを選んでください。

  1. У меня́ нет( но́вый / но́вого / но́вой )кни́ги.
  2. Мы говори́м о( хоро́ший / хоро́шем / хоро́шему )фи́льме.
  3. Мы ви́дели( хоро́ший / хоро́шего / хоро́шему )студе́нта.
答え
  1. но́вой(кни́гиは女性名詞の生格)
  2. хоро́шем(話題を表す о のあとは前置格・男性)
  3. хоро́шего(студе́нтは活動体の男性名詞なので対格は生格と同じ)

練習問題(例文の穴埋め6問)

参考にした資料

  1. 名詞の複数の格変化(склоне́ние во мно́жественном числе́)複数の名詞の6つの格の語尾と、単語ごとに違う生格複数の形が分かります。
  2. 代名詞の格変化(склоне́ние местоиме́ний)人称代名詞と所有代名詞の主格以外の形と、前置詞のあとで変わる形が分かります。
  3. 比較級(сравни́тельная сте́пень)бо́льше・лу́чшеのような比較級の形と、чемと生格の2つの比べ方が分かります。
  4. 形容詞の短語尾(кра́ткие прилага́тельные)рад・гото́в・до́лженなど述語専用の短語尾の作り方と、使える位置が分かります。
  5. 格とは日本語の助詞にあたる働きを担う6つの格が、それぞれ何を表すか分かります。